「――――えぇ!?」


 あのまま泣きに泣いて、泣きはらした顔で翌朝学校に来た私は教室で校舎中に響き渡るほどの声を上げた。

「なんでいるのよ!?」

 教室の窓側。
 私が指さした先には、アキラがいた!

「なんでって。そりゃ朝なんだから学校来るだろ」

「いや、いやいやいや! だってあんた裏世界に帰ったじゃない……ちょっと来て!」

 周りの目がこちらに向いている事に気づいて、私は鞄を持ったままアキラの手を引いて部室に行った。

「――――って、ミノルもヨーコもいるじゃん!」

 扉を開けると、制服を着て思い思いに過ごしている2人の姿があった。

「なんで? 何があったの?」

 もうわけがわからなくなってる私の肩をアキラが笑ってたたいてくる。

「だーかーらー! 裏世界に帰ったから、そっから学校通ってんだって!」

「はー!?? なによそれ!」

 何を言ってるんだコイツは?

「おう。レミ。放課後ちゃんと部室来いよ」

 ミノルはぶっきらぼうに言いながらネクタイをしめている。

「部室って、なんでよ?」

「は? お前言ったじゃんか。放課後怪談クラブは永久不滅だって」

「いや、それは、だって!」

 あんたらが二度と戻ってこないから言ったんでしょうが!
 ここで過ごした時間はずっと変わらず心に残ってるよ。って言ったんじゃん!

「……レミ、ずっと一緒」

 ヨーコまで……。ってあれ? そういえばあの時アキラも。

「あんた、『またな』ってこれを言いたかったの?」

「え? そうだけど? だって、俺たち3人とも学校気に入っちゃったからさ!」

 だから、これからもよろしくな! とアキラはバンバン背中をたたいてくる。
 ……なにこれ。
 昨日の私の涙を返してくれ。

「よーっしゃ! んじゃそろそろホームルーム始まるな! 合言葉やるか!」

 アキラが言うと、ミノルとヨーコが立ち上がる。
 は? 今まで合言葉なんてやったことなかったじゃん!
 でも、アキラはそんな私の心のツッコミもつゆ知らず拳を前に出した。
 2人も拳を前に出す。
 あ、これって……まさか!

「俺たち放課後怪談クラブはー?」

「ちょっ――――!」




「「「永久不滅!」」」



「やめてぇー!」

 あぁ、3人がこっちを見てる。きっと今の私は顔が真っ赤だろう。
 ダメだ。ほんとにダメだ。
 そうだった。この部活はこういうめんどくさい部活だったんだ。
 あーもう! わかったわよ!

「えーきゅーふめつ!」

 もうどーにでもなれ!

「お! レミいいねー! やる気満々!」

 アキラは嬉しそうに笑っている。

「ふん。やるじゃねーか」

 ミノルは羽をバッサバサとはばたかせた。

「……じゃま」

 ヨーコはその羽をめんどくさそうにガードしてる。
 いつもの光景。いつもの日常。
 あぁ、先生。
 滝松先生。
 ……どうやら私、



 ――――お別れの仕方も選べないようです!



 ……と、いうわけで放課後怪談クラブは今日もいつも通りに活動中!