ただ、触れた肌はあまりにも冷たかった...
目は固く閉ざされ、氷の様に冷たい肌は白くもう母様はこの世にいないのだ、と実感する。

...もう僕は母様の声を聴くことが、温もりに触れることができなくなってしまった...
...しかしこのまま落胆していても、此処にいることはもうできない。

そっと母様の顔に手を添える。
「母様、母様、どうか安らかに」
「...生かしていただきありがとうございます、僕は旅に出ようと思います。母様に守ってもらったこの命を胸に...」

「さようなら、母様」


僕は母様の額にそっとキスをした。
そして再び母様を冷たい土の中へ戻した。

...雲一つない晴天があまりにも憎らしかった。