「どうやら帰ったほうがいいのは、あなたのほうですね」
穏やかに間宮さんを説く。
「ど、どうしてっ!?みんな頭がおかしわっ!?」
「来なさいっ、ルナっ!」
間宮さんのお母さんらしき人が、輪を割って入ってくると、間宮さんの腕を掴んで体を縮めながら元来た道を帰って行ったのだった。
「どこかで見たことがあると思っていたんだがね。君はブルーローズのピアニストでしたか」
と、近藤社長。
「はい。近藤社長に気づかず失礼いたしました」
「君のピアノの音は優しくて、心が休まりましたよ。辞めてしまったとママから聞いてガッカリしていたんです」
「あ、ありがとうございますっ」
本当は音大に進学したかった。
けれど家庭の事情を考えれば、学費の高い音大なんて無理だった。だから普通の大学に進学したのだった。
だけど、ピアノを弾くのが好きで、ピアニスト募集の広告を見つけてすぐに応募した。
ママは音大出身の人だった。
『自己流って言ったって、地元では先生についていたんでしょう?』
『小さな音楽教室でした』
『構わないわ。弾いてみて』
その場で採用が決まった。
それから週に三回、クラブ・ブルーローズで私はピアノを弾いていたのだった。
ママは私のピアノが好きだと言ってくれた。そして音大がすべてじゃないと、私に教えてくれた人だった。
穏やかに間宮さんを説く。
「ど、どうしてっ!?みんな頭がおかしわっ!?」
「来なさいっ、ルナっ!」
間宮さんのお母さんらしき人が、輪を割って入ってくると、間宮さんの腕を掴んで体を縮めながら元来た道を帰って行ったのだった。
「どこかで見たことがあると思っていたんだがね。君はブルーローズのピアニストでしたか」
と、近藤社長。
「はい。近藤社長に気づかず失礼いたしました」
「君のピアノの音は優しくて、心が休まりましたよ。辞めてしまったとママから聞いてガッカリしていたんです」
「あ、ありがとうございますっ」
本当は音大に進学したかった。
けれど家庭の事情を考えれば、学費の高い音大なんて無理だった。だから普通の大学に進学したのだった。
だけど、ピアノを弾くのが好きで、ピアニスト募集の広告を見つけてすぐに応募した。
ママは音大出身の人だった。
『自己流って言ったって、地元では先生についていたんでしょう?』
『小さな音楽教室でした』
『構わないわ。弾いてみて』
その場で採用が決まった。
それから週に三回、クラブ・ブルーローズで私はピアノを弾いていたのだった。
ママは私のピアノが好きだと言ってくれた。そして音大がすべてじゃないと、私に教えてくれた人だった。


