そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 ざわついていた会場が静かになる。

「この国の経済は、そんな彼女たちが支えていると言っても過言じゃないわ」

 確かにそうだ。政治家だって利用しているもの。

「それからもうひとつ。夜職と言うのなら吉永さんは違うわ」
「えっ?」

 驚いた顔の間宮さん。

「ホステスさんたちは夜職だろうけど、彼女はピアニストだもの」

 驚いたのは私も同じだった。

 飯倉さん。どうしてそれを?

「彼女はクラブ・ブルーローズのピアニストよ」
「ブルーローズだって?」

 あちこちで声が上がる。

「あそこって、かなり敷居が高いらしいじゃない。よほどのVIPじゃないと入れないとか」
「俺もまだ行ったことないぞ」
「僕はあるけど、あそこのママは音大出身だから、ピアニストにはうるさいと聞いたことがある」

 自然発生的にパチパチとどこからか拍手が上がる。それは瞬く間に増えて、私たちを囲む音の輪となった。

 私を応援してくれているの?
 私がここに居ていいって、認めてくれる拍手なの?


「美里」

 涼介さんが肩を抱いてくれる。
 
 すると、あれは確か、近藤エレクトリックの近藤社長が、人の輪をかき分けて、進み出て来たではないか。