そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

「いい加減にしろっ!」

 間宮さんに詰め寄る涼介さん。

 パシン!!

 間宮さんの頬を叩く音があたりに響くのだった。

「ドブネズミはあなたよっ」

 飯倉さんだった。

「冬…子」

 涼介さんも驚いている。

「涼介、あなたが手をだす程の女じゃないわ。私で十分」
「痛いじゃないっ!何するのよ」
「あら?叩かれた意味が分からないの?ならばもう片方も行く?」

 涼介さんが手を挙げれば、社会的な問題になりかねない。まして相手は旧華族の娘。
 マスコミの恰好の餌食になってしまう。女同士の喧嘩であれば、その場で収まる。
 飯倉さんはそれをとっさに考えての行動だったのだ。
 
「私の部下を侮辱する言動は許さない」

 キッと間宮さんを睨みつける。

「な、何よっ!やっぱり成金の成り上がりはすぐ暴力振るうんだからっ!育ちの悪さが出たわねっ」
「そうね。確かに私の親は成り上がりかも知れない。あなた華族のお嬢さまでしたっけ?だけどここに呼ばれたってことは、私もあなたも同格ってことにならないかしら?」

 どこからか笑いが起こる。

「くっ」唇を噛みしめて、間宮さんは飯倉さんを睨むと。

「言っときますけどね、あの女が夜職だったのは本当のことじゃないっ!」

 きっと間宮さんにとっては起死回生の一言だったに違いなかった。

「夜職のどこが悪いのかしら?彼女たちだってプライドを持って働いているわ。それにここにいる男性方は少なからず、彼女たちのお世話になっているのよ」

 接待もあるし、家族に言えない悩みを相談をしていることもある。

「他ならぬ、涼介だって銀座のクラブで接待をしているわ。部下だけじゃなく、彼女たちまで侮辱しないで」