そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 声の主は飯倉さんだった。

「飯倉さん!?」

 私は思わずベンチから立ち上がる。

「吉永さん綺麗よ。髪も素敵だし、ドレスもあなたに似合ってる。うふふ、そのドレス、涼介のセンスじゃない?」

 えっ、えっ?
 飯倉さんの登場にただでさえ慌てているのに、涼介?
 パニックの激流が一気に私を襲う。

冬子(とうこ)も来てたのか」

 と、冬子ぉ?

 なになに、どうしてこの二人は下の名前で呼び合ってるの!?

 涼介さんは立ち上がると、飯倉さんと一緒にいる男性に挨拶をする。

「原口先生もいらしてたんですね。ご挨拶が遅れて失礼しました」
「いえいえ。僕なんて本来ここに来れる人間じゃないんですけどね」

 原口先生は笑う。
 彼はうちの会社の顧問弁護士だ。若くして大手弁護士事務所を独立したらしく凄腕の先生らしい。
 直接会ったのはこれが三回目だったかな。

 真面目を体現したような風貌の人。
 
「そっ。私が強引に誘ったの。だってエスコートが無いと来づらいじゃない?」
「冬子なら平気だと思うけど」
「あら、失礼ね。こう見えても私デリケートなんだから。ねぇ、原口先生」
「はは、そうですね。おっとりしているように見えて、案外強いですからねぇ」
「ちょっと、部下の前でっ」

 飯倉さんは原口先生の頬を軽く叩く。
 
 二人はそんな関係だったの?

 って、そんなことよりも私が気になるのは、涼介さんと飯倉さんの関係だったりすのだけれど。

 元カノとか?