「隣いい?」
トレーを持った飯倉さんだった。
「飯倉さん、たったそれだけですか?」
彼女のトレーには野菜サラダのお皿がひとつ。
「そうなの。このところ残業続きで肌が荒れちゃって」
大口契約が立て込んでいたから、私も残業が続いていたけれど、飯倉さんはその確認作業に追われて毎日オフィスを出るのが一番遅いと聞いていた。
「すみません。私がもう少し仕事を憶えられたら、飯倉さんの負担が減るのに」
「そうねぇ。吉永さんが私と同じくらいになるには後、八年はかかるわね」
笑いながらレタスを口へと放り込む。
「あと、八年ですか?」
驚いたのは楓だった。
「そうね、早くてだけど」
理由をたずねる楓に、法律のややこしさを飯倉さんは話して聞かせた。
「言葉の言い回しで、相手の捉え方が変わってしまってはダメなの。必ず誰が読んでも同じにならなくてはいけないから、そこが難しいかな」
「へー、知りませんでした。でもそれは営業にも同じことが言えるかも」
「そうね。三島さんは営業の中でもトップだから、おのずと気を使っているはずよ」
えへへ。と照れくさそうに楓は笑う。
楓がいつものように笑顔を取り戻した。
本当に良かった。
心の中で涼介さんに感謝する。
トレーを持った飯倉さんだった。
「飯倉さん、たったそれだけですか?」
彼女のトレーには野菜サラダのお皿がひとつ。
「そうなの。このところ残業続きで肌が荒れちゃって」
大口契約が立て込んでいたから、私も残業が続いていたけれど、飯倉さんはその確認作業に追われて毎日オフィスを出るのが一番遅いと聞いていた。
「すみません。私がもう少し仕事を憶えられたら、飯倉さんの負担が減るのに」
「そうねぇ。吉永さんが私と同じくらいになるには後、八年はかかるわね」
笑いながらレタスを口へと放り込む。
「あと、八年ですか?」
驚いたのは楓だった。
「そうね、早くてだけど」
理由をたずねる楓に、法律のややこしさを飯倉さんは話して聞かせた。
「言葉の言い回しで、相手の捉え方が変わってしまってはダメなの。必ず誰が読んでも同じにならなくてはいけないから、そこが難しいかな」
「へー、知りませんでした。でもそれは営業にも同じことが言えるかも」
「そうね。三島さんは営業の中でもトップだから、おのずと気を使っているはずよ」
えへへ。と照れくさそうに楓は笑う。
楓がいつものように笑顔を取り戻した。
本当に良かった。
心の中で涼介さんに感謝する。


