そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

「どうした?灯りもつけないで」

 リビングに掛けられた時計が、午前一時を告げた時だった。
 私はうっかりソファーで寝てしまっていたらしく。
 ゴシゴシと涙の後を消すように顔を拭う。

「あっ、お帰りなさい」
「シャワーしてないのか?」
「……ごめんなさい」
「どうして謝る?」

 なんだか怖い。いつもの涼介さんじゃない。

「あの、先にシャワーどうぞ。涼介さんのほうが朝早いから」
「美里のほうが早いだろ。朝食作るから」
「ううん、涼介さんは仕事大変だから、睡眠をいっぱい取って欲しいもの」
「泣いてたのか?」

 大きな手が私の頬に伸ばされる。

「違いますよぉ」
「嘘をつくな」
「……」

 やっぱり怖い。

「りょ、涼介さん、濡れてませんか?」

 シャツが少し湿っているみたい。

「先にシャワーして下さい。風邪をひいたら大変──」

 暗闇の中でも天地が変わるのが分かった。

 私はソファーの上に押し倒されていた。

 掴まれた手首。

 強引に重なる唇。

 強い力で逆らうことなんて出来ない。