そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 しんと静まり返ったリビングには、間宮さんのすすり泣く声だけが響く。

「送っていく」

 突然立ち上がると、涼介さんはリビングを出て行ってしまった。

「あんたなんかに涼介は渡さないからっ!」

 そう言って、間宮さんも彼を追うように出て行った。

 独り残されたリビングの床に、私はヘナヘナと座り込んでしまう。
 心拍数が異常に上がっているのに気づく。
 口の中はカラカラだ。
 両手はじっとりと湿っている。

 正直怖かった。
 怒った涼介さんを見るのも初めてだったけれど、それ以上に間宮さんの迫力に気圧されてしまったようだった。
 
 涼介さんに対する想いが強いことを、思い知らされた気がして複雑な気持ちになるけれど、間宮さんの気持ちは痛い程分る私がいた。それほど、涼介さんは素敵な人だもの。

 私は──。
 胸の前できゅっと手を握った時だった。

 スマホが震える。

 『少し遅くなるから、先にシャワーして寝ていて』

 涼介さんからのLINEだった。

 間宮さんの様子からして、私のいないところで話し合いが持たれるのだろう。
 
 複雑な感情が私を苦しめる。
 彼は彼女を説得するのだろうか?
 万が一、間宮さんに押されて一緒に住むことを許してしまう?それくらい彼女は迫力があった。
 
 あ、それとも私は正式な彼女ではないし、むしろ私がここを出て行く? 
 それならそれでいいじゃない。もともと一時的な関係なのだから。

 いつも不安な感情が渦巻く毎日に、疲れちゃった。