そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

「涼介、冷静になって。私とあの女、どっちの家柄が良いと思う?」
「それは、ルナだろうな」
「じゃあ、どっちが社交界に適していると思う」
「恐らく、ルナだろう」

 間宮さんの勢いは止まらない。

「私とあの女、どっちが綺麗だと思う?」
「それは…」

 回答に迷う涼介さんに、心がチクっと痛んだ。
 答えは火を見るよりも明らかだ。なのに、答えに詰まるのは、きっと彼の優しさ。

「…客観的に見たらルナだろう。けれど主観的には美里だ」

 テーブルに置かれた新聞を手に取ると、間宮さんは涼介さんの顔目掛けて投げつけた。
 私は息を飲む。
 どうして彼女はそんなことが出来るのか、理解に苦しむ。
 だって、好きな人なんでしょ?
 本気で喧嘩をするつもりなの?

「気がすんだか?」

 床に落ちた新聞をテーブルに戻す。

「いいえっ!私があの泥棒猫に劣ると言うのっ!」
「言葉の使い方に気をつけろ、ルナ」

 涼介さんが怒っている。
 聞いたことのないような低い声に、あえて落ち着いた物言い。

「帰れ」

 リビングの空気が凍った。