そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

「今度部屋の模様替えをしたいんだけど、一緒に選んでくれる?」
「私、あんまりセンス良くないと思いますけど、私で良ければ」
「美里が選んでくれたものがいいんだ」

 責任重大。ちょっとプレッシャー。
 
「どうして、私をそこまでかって下さるんですか?服のセンスだって自分ではいいとは思ってないし」

 一瞬の間をおいて、涼介さんは私の瞳を見据えた。

「好きだから」

 息が止まった。
 
 何故ですか?
 どうして私を苦しめるんですか?
 だって私たちの恋は桜と一緒で、はかなく、いずれ散ってしまうのに。

「涼介さん、酷いです」

 きゅっと唇をかみしめる。
 こんなにあなたに夢中にさせておいて、別れを切り出すのもあなたからなのに。

「どうして?」
「……」
「美里?」
「これも……演技ですか?」

 彼に悟られたくなかった。私の想いを。

「……そうかもね」

 違うと言って欲しかった。
 練習じゃなくて、私を好きだと言って欲しかった。

 けれど、返ってきた言葉は予想通り。

 自然と涙がテーブルを濡らしてしまう。
 
 驚いた彼は、「美里、どうして?」と、聞いてくれるけれど、言えるわけない。

 あなたは残酷な人。

「帰ろうか」そう言って、私を店の外に連れ出す。

 昼間はあれほど賑やかな街も、今は別世界のように静かだ。

「美里が泣くのは俺のせいだね」
「違うんです。私が悪いの」

 こんなことを引き受けた私が悪い。全部自分のせい。

 タワーの部屋に帰ってからも、胸のつかえが取れなくて苦しかった。

 いつまでここで生活できるのかな?

 そんなことを考えながら、私は眠ってしまっていたのだった。