そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 私は店員さんに改めてビールを注文する。

 飲みかけのビールではなく、新しいビールで乾杯したかったからだ。

「じゃあ、楓の昇進を祝って。カンパーイっ!!」
「ありがと。カンパーイっ!」

 思いきりジョッキをぶつけ合ったから、ビールがこぼれた。
 でもそんなの気にしない。

「カンパーイ!」

 すでに何杯か飲んでいるから、酔いも手伝ってもうハチャメチャだ。
 周りの席の人たちは若干引いていた様子だけど、今日は特別。許して欲しい。

「ぎゃははっ」
「うははっ」

 騒ぐだけ騒いで、一息ついた時。

「ねぇ、知ってる?」

 楓が切り出した。
 一体なんの話?首を傾げる私に楓はニヤリと口の端を上げる。

「あのお嬢さまのこと」

 お嬢さま。…間宮さんで間違いないだろう。
 彼女のその後?
 アメリカへもう旅立たのかな?
 
「その筋の人たちと関係あったみたいでさ、旧華族のお姫様が。って話題になってる」
「仕事復帰してから、憶えることが沢山あって新聞とかテレビとか見てなかった」