そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 最上階の社長室。
 ここに来て、私の運命は変わった特別な場所。
 あの日以来ここには来ていない。

「さあ、早く入って」

 社長室のドアを間宮さんは開けてくれる。

「失礼します」

 って、真っ暗なんだけど。

「間宮さん?」
「ドブネズミがネズミ捕りに掛かったわね」
「今なんて?」

 目がまだ慣れなくて、彼女が良く見えない。
 ただ、暗闇の中に何人かの人の気配を感じた。

 嫌な予感がする。
 ゴクリと唾を飲み込むと、注意してあたりに目を配る。
 
 やや暗がりに慣れてきて、ぼんやりだけれど、扉の位置を確認できた。
 本能が逃げろと私に言う。

「帰るっ」

 走り出そうとした私の腕を強い力が押さえた。

「おっと、ここから逃げられないぜ」

 背筋がぞっとする。

「ドブネズミはドブネズミらしくしてればいいのに、生意気に夢なんて見るからこうなるのよ」
「間宮さん?」
「お嬢さん、この女処女なんですよね」
「そっ。あんた達の好きなようにやっちゃっていいわよ」
 
 耳元で別の男の声がする。

「処女なんて久しぶり」

 汚らわしい獣の声。

「離してっ!」

 けれど男の人の力に抗えるはずもない。

 あれくらいのことで諦める間宮さんじゃなかった。