そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

 今日の法務部員は外出が多く、あれから飯倉さんも再び外出し部室に残ったのは私一人だった。

「今日は涼介さん遅いって言ってたし、久しぶりに楓とどこかで食べて帰ろうかな?」

 スマホを鞄から取り出し、LINEをしてみる。

『ごめん。今日は商談でオフィスに戻らないんだ』

 そっか。仕方ない。 

 定時になり私は帰り支度をする。

「吉永さん」

 呼ばれて振り向くと、間宮さんが立っていた。

 無言で彼女を見つめると。

「社長がお呼びです」とだけ冷たい声で言った。

 おかしい。涼介さんは今日一日外出で、帰りも遅いと言っていた。

「社長は、今日はお戻りにならないのではないですか?」

 間宮さんは口の端を歪めた。
 それが何を意味するのか、私には分からない。

「つい先ほど一度戻ってきたのよ。あんたに用があるそうよっ。それでまた出かけるのですって」

 なんだそうなの。
 ならLINEとかメールでもいいのに。よほど急ぎなのかな?

「早くしてくれない。社長はこれから大口のお客様との面会があるのよ。時間が無いのっ!」
「ごめんなさいっ」

 彼女の勢いに気おされて、私は急いで鞄を持つと間宮さんの後に続く。

 前もこんなことあったな。なんて思いながら。