そんな簡単に彼女を決めていいんですか? ~偶然から始まる運命の恋!?~

「涼介さんっ!」
「分かったって。ちゃんと話すよ。本当はね、俺の口からきちんと話したかったのに、あの酔っ払いのせいで──」

 運ばれてきたビールを一口飲み干すと、彼は静かに語りだしたのだった。

「まずは、俺と冬子の関係だよね」

 飯倉さんは、涼介さんより二つ年上。
 
 彼女の姓は元々、阿久津だった。

「つまり、俺と冬子は腹違いの姉弟ってこと。彼女の母親が家に入ることを拒んで、親父と離婚したんだ」

 確か、飯倉さんのお母さまは今でもバリバリのキャリアウーマンだったはず。

「で、後妻に入ったのが俺の母親」

 それで…。

「親父と離婚して、冬子の母親は再婚した」
「それで、飯倉さんなんですね」
「ああ、飯倉総合病院の医院長」
「飯倉総合病院って、あのツインタワーの北東にあるあの?」
「そっ、院長が冬子の義理の父親で専門は脳外科。母親は副医院長をしているはずだったな。確か専門は整形外科だったと思う」
 
 うわー、何で気づかなかったんだろう。
 飯倉総合病院。

 それで飯倉さんはこのべリが丘に住んでいて、お嬢さまで、億ションを買ってもらえて。
 半分は阿久津の血を引いている。