「誰も居ないですね」






「ここ、穴場なんですよ」






「そうなんですか?」






 白い歯が見えた。自分も笑ってみせる。






「隣、いいですか?」






「いいですよ」






 長い、長い河川敷に、人影はきっと二つだけだろう。







 少しだけ、親近感を覚えた。悪い人ではなさそうだ。






「もうすぐですよ」






「はい」






 並んで寝転んでいる。独りで見る空よりも、誰かと見る空は









       綺麗だった。