「伯父さん伯母さん。彼の妻になりたいです」

 私はきちんと挨拶をしてくれた彼に胸がいっぱいになった。伯父はにっこり笑った。

「私達はさくらの親ではない。だから彼女の両親にもう一度聞いてください。私達はさくらが選んだ人なら賛成します。ただ、ノースサイドにお住いだったあなたの世界に、うちのさくらが入って妻としてやっていくには何らかの助けが不可欠でしょう。大丈夫ですか?」

「そのことならご安心ください。彼女をノースサイドに連れていくのですから、両親と共に彼女をあちらの世界の住人にしてみせます。両親はすでにこの結婚に賛成していますが、この後彼女を正式に紹介するため家へ連れていくことになっています」

 ノースサイドの住人。あちらの世界。どうしよう、私……覚悟がまだできてなかった。伯父は別な話をしてきた。