「ううん、寝不足なだけ。ごめん、戻って休む」

「そうしなさい。あの人のことは大丈夫よ。沢島先生も難しい手術じゃないと言ってくださっていたから」

「うん。ごめんね」

「タクシーで帰りなさい。いいわね」

 そういうと、私の手にお金を握らせた。

「……伯母さん」

「いいから。元気になったら返して。さあ、行きなさい、気をつけて帰るのよ」