美しき造船王は愛の海に彼女を誘う


「ここも改善点のひとつとしてあげておきましょう。これからはセレブのお客様もこられるでしょうし、応接室が必要かと思います」

 おっしゃる通りだった。お通ししてお茶を出しながら相談するところがない。

 まあ、普通の花屋ならそんなところ必要ないが、このベリが丘では必要なのかもしれない。

「実はそうなんです。上のカフェにお連れしてお話していました」

 椎名さんは苦笑いした。

「なるほど。まあ、それはそれでいいんでしょうが、特別感がないとノースエリアのお客様には受け入れていただけません。付加価値が必要です。ここにくれば綺麗な応接室で最先端の花が生けてあり、素敵なお茶菓子がもらえるとか」

「……はあ」