「君は身体もさくら色だ。この色で僕を誘う、いけない子だ。この船は寝室もあるけど、今日は本当にそんなつもりじゃなかった。準備もしていない。だから……今日はここまでだよ」

 そう言いながら、なぜか手を動かしている。

「あ、あ、蓮さ……」

「ああ、だからそんな目で僕を見るな……もう少しだけ君を味わいたい。いい?」

 じっと彼を見つめた私の目を見て、ふっと微笑み、そのまま身体じゅうにキスしながらだんだん下がっていく。

 船を丘へ戻したのはそれから二時間後くらいだった。

 船から車へ戻るときもぎゅっと手をつなぎ、彼は車の中で深いキスをしてから私を帰した。

 シンデレラじゃないと気づいたのは翌日彼からメールをもらい、呼び捨てされていることに気づいてからだった。