「ほら行くぞ。しょうがないな、ぼーっとして。海に落ちかねない」 そういって、私の背中を押して横を歩いている。私は背の高い彼を下から眺めるのみ。本当に素敵な人。今日は神様が私にくれたご褒美かもしれない。 あまり考えないで楽しもうと思った。 「どの船ですか?」 彼は私を見下ろして笑った。 「そう、君はそういうところがいいんだよ。僕の船は一番奥」 そういって、私の手をつかむと走り出した。嬉しそうに私を見た。私は右手を彼に捕まれて、左手で帽子を押さえて走った。