喧嘩していた時の雰囲気はなくなった。彼女は僕の顔を正面から見て言った。
「神崎さん。昨日、名取社長と相談しました。今日夜にもご挨拶に伺うつもりでした。お会いできて良かったです。実はあの場所で店をやらせていただくことになりました。社長へプレゼンまでしてくださったとか、本当にありがとうございました」
彼女ははにかんだように微笑むと僕に深々と頭を下げた。びっくりした。
あの日、彼女に糾弾されて反省した僕は、名取にあの場所の賃料あそこにするメリット、先々の戦略をまとめて送った。
一週間の余地をあいつに与え、彼女と相談しろと促した。
きっとそれで納得したんだな。それならよかった。彼女は嬉しそうだ。僕もなぜだか嬉しい。
「そうか。それならよかったな」



