彼の指が頬をなぞる。下がろうとすると、長い腕が身体を回ってあっという間に抱き上げられた。

 ベッドへ運ばれ、逃げる私をまずキスで陥落させ、両腕を私の顔の横に置き身体を寄せてくる。

 もはやこうなると身動きひとつとれない。上から彼が射抜くような瞳で私を見ている。

「……あ、どうして……」

「あと二週間……やっとだ……」

 彼の指がせわしなく私の全てを暴こうとする。

「ああ……」

「さくら……君がもし戻らないなら……僕もベリが丘を出よう」

「あ、だめ、それだけはだめ、蓮さん……私は……」