執行人

「思い出されましたか？」



「別にっ」


私の腕を振りほどいても立っていらっしゃいますが、


息も上がっています。



「ガタッ！」



「！」



ああ、汚い獣がいるようだ。



「黒、行くぞ。」


「はい。」



主人は一目散に音のした部屋へ走ってゆきます。


14歳の少年に恐怖というものはないのでしょうか？


部屋のドアを主人が開ける前に


私は主人の目をふさぎます。



「いけません！」