大きなハゲタカがぐるぐると輪を描くように砂漠の上を飛んでいる。十羽以上はいるだろうか?
 リオ・ナバ王が、フウルの視線を追いかける。
「なにを見てるんだ?」
「——あの鳥です」
「ああ、あれは別名『罪人たちの番人』と呼ばれているハゲタカだ。我が国には、砂漠でハゲタカに生きながら食わせる、という処刑の方法があるんだ。大昔の話だがな⋯⋯」
「え!」
 ——ハゲタカに生きながら食べられる処刑?
 あまりに驚いたので、リオ・ナバ王が最後につけ加えた『大昔の話』という部分を聞き逃してしまった。
 ——ああ、そうなのね。わたくしはこのためにここに連れてこられたのね。今からこの砂漠で、あの大きくて恐ろしいハゲタカに、わたくしは生きたまま食べられるんだわ!