「安心して。授久くんのことは本当になんとも思ってないよ。もともと遊んでた人だったし私のタイプじゃないのよ。私は旦那一筋で……まぁ、そのことはいいんだけど。だから、授久くんがすごく変わってたからびっくりしちゃって」
「変わった?矢吹さんが?」
「うん。昔はすごかったのよ〜。私と授久くん、田舎の高校でね。授久くんはもともと1年の時に転校してきたんだけど、その時の授久くんったら女遊び激しくってね〜」
自分の大好きな彼の過去。
しかも相当遊び女が激しかった、なんて言われても、矢吹さんのそういうところは、出会った時も同じだったから、なんとなくわかる。
「そんな彼がさ……すっごいデレながら惚気るんだもんね」
「えっ、惚気……」
「梓葉ちゃんの名前や顔は教えてくれなかったけど、あの日梓葉ちゃんのこと見る彼の目を見たら一発でわかったわ」
矢吹さんが、私のいないところで、私の話をしてくれていたことに、素直に嬉しくなる。
「あの矢吹授久を変えた女、なんて、私だけじゃなくて、その時同じ学校だった全員が気になるわよ。それくらい彼は全然違う。梓葉ちゃんのおかげなんだなって思うよ」
「いや、そんな、私は……」
私が矢吹さんを変えたなんておこがましすぎる。
でも、昔の矢吹さんを知ってる人からそんな風に言われるのは全然悪気はしない。むしろ……。



