制服レモネード

「ふふっ、梓葉ちゃん、私に授久くん取られちゃうかもって思ってるんでしょ?」

っ?!

夏穂さんのセリフに、包丁を持っていた手が止まる。

「と、取られる?」

思わず聞き返す自分の声は、震えていた。

「好きなんでしょ?授久くんのこと」

っ!?

「えっ、いや、えっと……」

改めて面と向かって聞かれると、正直に言えないもんだ。本当の気持ちを言ったら、夏穂さんになんて思われるか。

「安心してよ〜!取らないから」

「えっ」

思っても見なかった夏穂さんの意外なセリフに、声が出る。

てっきり、ライバル心むき出しのことを言われると思っていた。

「この間、ショーであった時、顔に授久くんが好きですって書いてあったよ。そして、今も」

「っ……!」

『今も』
そんなことを言われちゃ、さらに顔が熱くなってしまう。

「いきなり授久くんの家に上がり込んだりなんかして、紛らわしいことしてごめんね。でも、どうしても梓葉ちゃんと話したくて」

「私と……」

それって、矢吹さんとは別の、この間言っていたモデルの話なのかな……それなら私は、そんな気全然ないんだけど。

「私のこと、授久くんから何か聞いた?」

「あ、えっと、結婚されていると、それから……」

夏穂さんが矢吹さんに相談に乗って欲しいと頼んだんだよね。