制服レモネード

「でも一件落着なはずなのに、なんかアズまだ顔暗くない?」

濱谷くんのが私の顔をのぞきながらそう聞く。

「あっ……うん。矢吹さんは大丈夫って言ってくれたけど。もし夏穂さんが矢吹さんのこと好きだったらどうしようって」

結婚しているし、昔からそういうことになったことないとは言っていたけれど。

乙女子心なんてわからないものだ。

「まぁ、アズの不安もわからないでもないけどな〜。一度、夏穂さんとふたりきりで話してみてもいいんじゃない?名刺、もらったんだよね」

と結衣。

「うん……もらったけど……」

でも、私みたいな小娘があんな大人の女性を呼び出すなんてどうなんだろうか。

まだ不安が綺麗さっぱりなくなったわけじゃないから、できるものなら確かめてみたいけれど。

ブーブー

3人で話していると、突然私のスマホがポッケトの中で震えた。

画面に表示されている名前を見て、トクンと胸が鳴る。

「矢吹さんから……」

スマホの画面を見つめたまま、そう呟くと、ふたりが「なんだって?」と前のめりになる。

「っ……、今日の夕方、矢吹さんのうちで鍋やらないかって……夏穂さんも、一緒に」

ふたりに報告しながら、ドキドキと心拍数が速くなる。

「グッドタイミングじゃん!!」

と結衣が興奮する。

本当のことを確かめたいと思いながらも、いざその状況が目の前に現れると緊張で、身体のあちこちから汗が吹き出る。

……大丈夫、かな。

ていうかなんでまた、夏穂さんと……。