制服レモネード

「あいつかよ。龍ヶ崎ってやつは」

「……えっ」

そうか。矢吹さんには、龍ヶ崎くんとのあの姿を見られているんだ。

「俺がいるのに、梓葉はほかの男にキスさせるんだ」

「ちがっ……あれは手だし……」

「手ならセーフとかないから」

矢吹さんはそう言って、私が龍ヶ崎くんにキスされた手を捕まえて、手の甲に優しくキスをした。

「すげえムカついたのに、梓葉のあんな格好みて見惚れている自分がいて、悔しかった」

「嘘……」

「はぁ?なんでこんな嘘付かなきゃなんないの。梓葉のことに関しては常に余裕ねぇよ、俺」

私の肩におでこを置いてそう呟く矢吹さん。

「嘘っ、矢吹さんはいつも余裕だよ。私のこと想ってくれてるなら、なんで……なんで、他の女の人と2人きりでお酒飲んで、そのあとそのままタクシーになんか……」

「え、なんでそれを……じゃあ夏穂のことも……」

矢吹さんの少し戸惑った顔に、やっぱりそうだったのかなと悲しくなる。

「濱谷くんが前に見たって。矢吹さんと女の人が一緒にタクシーに乗るところ。その話を聴くちょっと前から、矢吹さん仕事忙しくなって急に会えなくなるし……本当は、今日のことだってちゃんと話すつもりでした。でも、話せなかったから……。矢吹さんはなんでこんなとこにいるんですか。夏穂さんを追いかけてですか」

我ながらすごくカッコ悪い。

前はもう少し純粋に、まっすぐ、人のことを疑うなんてしなかったのに。