ある日の休憩時間。

「すみません……岡部梓葉さんってこのクラスですか?」

席で結衣と話していると、教室のドアの方で私の名前が呼ばれた気がした。

「あれ、アズなんか呼ばれてない?」

「やっぱり?」

教室を見渡している見覚えのない女子生徒は、イエローとネイビーのストライプネクタイをしている。

3年生……。
私、呼び出されるようなこと何かしたかな?

不安になりながら、恐る恐るドアの方へと向かう。

「あの〜……私に何か用でしょうか?」

「あっ、岡部さん。突然呼び出したりしてごめんね〜」

先輩はそういうと「ちょっと廊下に出てもらっていい?」と付け足して、人気の少ない廊下側に移動した。

「時間もないし、単刀直入に言うね。岡部さん、今度大学のファッションショーに出てもらえないかな?」

「……えっ?ファッ?」

ファッションショー??
大学??

「私、服飾部部長の鈴木っていいます。年に1回大学の学園祭でファッションショーがあってね。その中の高校生の部に私たち毎年出てるんだけど……」

「はあ……」

この学校に、服飾部なんてものがあるなんて今初めて知った。しかも大学のファッションショーに出るほどだなんて。

でも、なんで私が??