一.



 まず初めにこの物語は限りなくノンフィクションに近いものです。稚拙な文ですがどうかたくさんの人の目に留まりますように。






 約20年前、私は生まれた。あまり泣かない子供だったらしい。いわゆるサイレント・ベビーだった。
 その時期から私の母が子育てが上手く無いことは私が少し成長すれば分かることだった。

 感情表現が出来ない。謝れない。なぜ怒ってるのか分からない。
 人間としての欠陥だと大人になった今思う。
 
 
 そしてなにより母を恐れていた。

 記憶には無いが2歳の頃から日常的な暴力を振るわれていた私はどんどん人との接し方が分からなくなった。
 小学校に上がってからも、あの純粋な悪は私をからかい続けた。

 生まれつき斜視だった私はメガネをかけさせられていたが、子供なんてのはそんな事ですら揶揄う対象になる。

 毎日虐められた。どうされたかまで細かくは言わないが、まあ在り来りないじめだった。

 

 言ってしまえば小学生から中学生にかけて思い出したいことなんて一つも無いし、思い出を掘り起こそうと頭を使っても嫌なことばかり思い出されて死んでしまいたくなる。

 恥をかいたこと、迷惑かけたこと、親にどれだけ殴られたかしかないのだ。私の小さい頃の記憶は。




 しかしそんな私も親の反対を押し切って始めた事があった。中学に上がってからの部活だ。

 小学生の頃は強制的に合唱部に入れられ、運動なんてしてこなかった私は漠然と運動部に憧れがあった。
 中学にあがり始めたバレーボール部はとても楽しかったと言いたいところだが、全くもってそんなことは無かった。

 技術は上がれど所詮思春期の集まりだった。
ドラマに憧れた女子たちが青春ごっこをしているに過ぎなかったのだ。

自分の意思で始めたバレーだが、人との関わり合いが自分にはとても難しい事なのだとこの時自覚し始めた。

 辞めるわけにもいかずに続けたバレーだったが、2年生の中頃からサボりがちになり、スタメンにはなれずに引退した。