たとえば、こんな人生も②

「お疲れ様です」


ひょこっと休憩所に顔を出せば
そこにいた姉さん達は、びっくりした顔で
私を見た


「「ひなた!!!」」


アリサ姉さんと、美冬ちゃんが
弾かれたように、私に飛び付いてきて


「わわ…っ」


よろけて、倒れそうになるのを
なんとか堪えて

自分の体にしがみついてる姉さん達に
視線を向ける


「苦しいよ。アリサ姉さん、美冬ちゃん」

「学校、行ったんだって?大丈夫だった?」

「うん。友達がフォローしてくれたから」

「学校も、バイトも
もっと休んでも良かったのよ」

「ううん。何もしないと落ち着かないし」


私から離れたアリサ姉さんと美冬ちゃんは
不安と心配が混ざったような表情を浮かべてる


「アーリ、美冬
ひなが自分で決めたんだから
見守ってあげなよ」


一緒に出勤してきたまこちゃんが
やれやれとため息をつきながら
そわそわと落ち着かない様子のふたりに
声をかけた


「あんたらがそんなだと
ひなたが逆に気遣うでしょーが」

「ひなたが心配なのは分かるけど
もう少し、落ち着きなさい」


まこちゃんに便乗するように
ソファーに座っていた
さゆ姉さんとシュカさんが
ふたりをたしなめる

注意されて、アリサ姉さんと美冬ちゃんは
「「うぐっ…」」と、押し黙った


「さゆ姉さん。シュカさん」

「まことシンが補助に入ってるなら
大丈夫だと思うけど
何かあったら言いなさい」

「無理だけはしないこと」

「…はい」



人生経験豊富なだけあって
アリサ姉さんや美冬ちゃんより
落ち着いた態度のふたり

騒ぎ立てるようなことはせず
でも、しっかりと気遣いの言葉をくれる

そのおかげで
変に気負うことなく
仕事に向かうことができた