たとえば、こんな人生も②

――……


壊したりしないように、慎重に袖を通して

なんとか、無事に着替え終え

試着室内の鏡で自分の姿を確認して
苦笑いを浮かべる


……服に着られるって
こういう時に使う言葉なんだろうな


とても素敵な衣装だけど
残念ながら
派手さと繊細さを併せ持つその衣装を
着こなすことは、私には出来なかった

姉さん達はそれでも可愛いって
絶賛するだろうけど

体型や顔立ち的に
姉さん達の方が、映えるはず

特にアリサ姉さん


「…アリサ姉さん、美冬ちゃん
やっぱりこの服は―…」


姉さん達の方が似合うよっと言いかけて
言葉が止まる

カーテンを開けて
落としていた目線を上げた瞬間



「「……」」



ぱちり、と



目が合ったから




「ああ~!!か、わ、い、い~!!」

「お人形さんみたい。最高…」



きゃ~!っと、例のごとく
おおげさに褒め称え
写真を撮りまくる姉さん達の隣で

私と目が合い、同じように固まっていたのは



「…いつきさん」



いつの間にか姉さん達と合流していた様子の
その人だった