たとえば、こんな人生も②

「え、ひなたの知り合いなの?」

「うん。ちょっと行ってくるね
時間になったら、ちゃんとお店に戻るから」

「うん。分かった」



莉央ちゃんと千夏ちゃんと別れて

ステージ裏

壇上から降りてくるふたりに駆け寄りながら、声をかける



「アリサ姉さん、美冬ちゃん!」

「「ひなた~!」」


私の姿を捉えるなり、声を揃えて
満面の笑顔を浮かべながら
両手を広げるアリサ姉さんと美冬ちゃん

いつものように
抵抗なく、その胸に飛び込めば
アリサ姉さんと美冬ちゃんは
ぎゅ~っと少し苦しいくらいに私を抱き締める



「びっくりした」

「ふふ~、驚かそうと思って」

「来ちゃった」



一応、姉さん達には
文化祭のチラシを渡してはいたから

もしかしたら
誰かしら来るかもとは思っていたけど


登場の仕方が
その…かなり、突飛だったから


まさか
あんな状態で対面することになるなんて
誰が想像できただろう



「来たの、姉さん達だけ?」

「うん。休みだったから
さゆも誘ったんだけど
ひなたの邪魔したら悪いからって」

「美冬達も止められたけどね
『騒がしくて目立つやつが、揃って行くな』って」


うん、まあ確かに目立ってはいたけど

こうやって、見に来てくれたのは普通に嬉しい


「気にしなくていいのに」


きっと、さゆ姉さんのことだから
私が、千夏ちゃんや莉央ちゃん達と…
学校の子達と過ごせるようにって、気を遣ってくれたんだと思う