夢の外でも君の隣に

-「あの人がね、芽生の好きな人」-

あの瞬間、私の12年の長い片想いは音を立てて崩れ

落ちた。



頬を赤く染めながら部活中の康汰を見つめる芽生の

言葉にガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた

去年の冬。

「私の康汰のこと好きなんだけど」という本音を飲

み込んで「そうなんだ」と言った一言が白い息と一

緒に寒空に吸い込まれていくように感じた。

家に帰って自分の部屋に直行し、制服も脱がずにベ

ッドに寝転がる。

芽生の前でちゃんと笑えていたか、どうやって帰っ

て来たのかはっきり思い出せない。

康汰は幼なじみで私にとって家族のような存在。

幼稚園から高校までずっと一緒で康汰に彼女が出来

るとか考えたこともなかった。