もしなにか事情があってこんなことをしているなら、私も力になるから!絶対になるから!

すがるように固く固く握った手を、青波は両手で包んでくれた。


「お願い…」

それに応えるように青波がゆっくり息を吐き出した。


「俺はーー、」

彼がそう言いかけた時、部屋のドアが勢いよく開いた。



「警察が来たんだって……?」

現れた先生はベッドにいる私たちを見て、怪訝そうな顔をする。


「なにしてるの?」

「なにも。体調が優れないみたいなんだ、診てやって


「…ええ」


すっと、離された手。

青波は私の顔を見ずに、部屋を出て行った。