恋の病に、堕ちてゆく。

「昨日より少し腫れは引いたかしら。痛みはどう?」

「シャワーをあびたら、すごく痛くて」


しばらくお風呂に行くのがトラウマになりそうだ。


「まだ痛みが引くまでは当分かかるわね。消毒して薬を塗るから、じっとしてて」

「はい」


この女性も誘拐犯の仲間なのに、お医者さんだから素直に従ってしまう。


「痛っ」

綿棒のような感触のもので、背中の傷に触れられる。

「動かない!」

思わず立ち上がりそうになって、腕を引かれて怒られた。


「心配しないで。清潔にして薬を塗れば、痕は残らないから」

「ありがとうございます」

「別にお礼はいらないわ。あなたを誘拐してるのは、
こっちだし」

「……」

だから!なんで痛めつけておいて、処置してくれるわけ?矛盾してるんだけど!

痛っ!

悪態をつこうすれば、再び身体に激痛が走った。