恋の病に、堕ちてゆく。

否定の言葉だった。
犯人だとしても、認めないだろうけど。

「じゃぁ誰が?」

「俺はあの現場に居なかったから、分からない」

そうやって知らん顔するんだ。


再びドライヤーの風があたる。

優しい手つきで髪を乾かしてくれると、私はこれ以上、手荒なことはされずに本当に解放されるのではないかと淡い期待を持ちたくなる。

優しくしてくれなくていいのに。


また油断していると、今度は反対の耳に青波の指が触れた。


「っ、…」

「あれ?耳、弱いの?」


今度は青波も気付いた。


「少しくすぐったいだけ!」

「ムキになって可愛い」

背後で青波が笑う気配がした。