恋の病に、堕ちてゆく。

「背中、当たった?」

ドライヤーを切り、勘違いした青波が聞いてきた。


「あ、いえ」

「結構、痛むよね」

表情は見えないけれど、その声色は心配しているように聞こえた。


「…あなたですか」

「うん?」

「私の背中、傷つけたの…」


聞いてどうするのだろう。
そう、って言われたらやっぱりって思うし、
違う、って言われてもその言葉は信じられない。

だから意味のない問いなのにね。


「俺じゃないよ」

落ち着いた声でそう返された。