恋の病に、堕ちてゆく。

「食べ終わったら、お風呂に入っておいで。お湯も溜めておいたから」

米粒ひとつ残さず完食した青波はごく自然のことのように言った。

監禁生活でお風呂?もしかして匂ってる?
思わず匂いを嗅いでしまう。


「昨日話した女医もすぐに来るから、清潔にしておいた方がいいし」

「…私、臭いですか?」

「ん?」

「いや、その…臭いからお風呂に…」

「そういう意味で言ったんじゃないよ。先生から背中の傷が結構酷いって聞いてるから。薬とか塗る前に、患部を清潔にしておいたほうがいいでしょ、ってこと」

確かに!そうだよね。
監禁生活中になにを気にしてるんだって話だけど、確認して良かった。


「それに昨日、加奈ちゃんを組み敷いた時、良い香りだったよ。甘くて、誘惑されたよ」

「……」

誘惑?単なる脅しだった癖に。