恋の病に、堕ちてゆく。

今度は男に見守れながら、ドアノブを回す。
あっさりドアノブは回った。

鍵はかかってなかったんだ…。

内開きのドアを開けると、外の光に目が眩む。


「眩しい…」

「ああ?」


光が遮断されて、人影が現れる。


「え?」

「トイレだって」


部屋の中から青波が答える。


「あ、トイレ」


なんだ、ドアの前にも見張りはいたんだ。そうだよね…。

部屋の外で待機していた男はかぶっていたトレーナーのフードから金髪を覗かせ、眉が細く、首元に花のタトゥーが彫られていた。ギロリと私を睨みつけ、見るからに悪そうな容姿だ。


「トイレは手前の扉だ。早く行け」

「はい」


部屋の外は廊下に続いておりいくつものドアがあったが、金髪男の威圧感にじっくり見る間も無く、"TOILET"と書かれたドアを開けた。