恋の病に、堕ちてゆく。

慌てるな、ゆっくり。ゆっくり…。

焦って駆け出したくなる気持ちを抑えて、慎重に足を動かす。


幸い障害物もなく、スムーズに進めた。


あと一歩、あと一歩でドアノブに手が届きそうだ。

どうか、鍵が開いてますように。


祈りながら、右手を伸ばす。


「きゃっ!!」


ーー伸ばしたと同時に、強い力で後ろに引かれた。


「はい、アウト」


耳元で冷たい声が聞こえ、背筋が凍りついた。