恋の病に、堕ちてゆく。

「四季の父親は警視総監で、警察内外で権力を持っている方だ。警視総監の口添えがあって、俺たちは誘拐で進めることができたんだ。俺は今でもこの判断を間違っているとは思わない。あの時できる最善を尽くした。…先生が、裏切るまでは」

「……」

そっか、四季が手を貸してくれたんだ。そんなこと一言も言っていなかった。親しくなった今なら分かる。自慢気に打ち明けそうに見えるけれど、実際は私を気遣って秘密にしておくところが彼らしい。


「俺のプライベートな事情に巻き込んで申し訳なかった」

青波が頭を下げる。
違う、謝って欲しいだなんて思っていない。

あなたがお父さんに協力してくれたから、全て上手くいったんだよ。

「大丈夫ですから!」

先生を信じてしまった私も悪いんだ。


「あの、先生とは別れ方が…青波さんの一方的というか…」

聞きにくい。
でも先生は青波への思いを断ち切れず、未練が残っていたから私の存在を邪魔だと思ったのだろう。

先生の美貌には敵うはずのない平凡な女子高生に嫉妬だなんて、どうかしてるよ。