恋の病に、堕ちてゆく。

「メール、迷惑でしたよね。ごめんなさい」

「いや?毎日楽しく読ませてもらったよ」

返信はなかったけれど、会いに来てくれた。文字よりも、顔を見て話せることの方がずっと嬉しい。

「高校を卒業するまでは会わないって決めていたんだ」

「え?」

「さすがに高校生の加奈ちゃんとは気軽に会えないよね」

そういうものなの?私には高校生とか、社会人とかそういうものは関係ない。それでも青波が本物の誘拐犯であったなら、たくさん悩んでいただろうな…。


「それにしばらく放っておけばそのうち俺のことは忘れて、メールも来なくなるって思ってた。まさか1年も続くとは…」

「それだけ、会いたかったから……」

青波にとって私はまだ子供の高校生だろうけど、この感情は一時のものなんかじゃないよ。


「青波さんに、会いたかった」

このチャンスを逃したら、もう二度と会えないかもしれない。またメールを無視されて、一方的な名前もない関係に戻るだけだ。

手を伸ばし、青波の手を握る。
離したくない、ずっと傍にいて欲しい。

でも私にはそうできる理由を持ち合わせていないから、その手に(すが)るしかないんだ。