恋の病に、堕ちてゆく。

「青波さんのメールアドレスが書いてあるよ。個人的な連絡先なら僕が青波さんに怒られるだけだし大丈夫かなって。まぁ、返事が来るかは保証できないけど、加奈ちゃんの気持ちは伝えられるんじゃない?」

「いいんですか?」

メールアドレス?
裏返されたメモを見つめる。

テストの時と同じ気持ちになる。裏返された問題用紙を早く(めく)りたいくて、そわそわしている時と同じだ。

「もちろん。ただ約束して欲しいな」

「約束?」

「1つはメールは1日1回までにしてあげて?任務に支障をきたさないとも限らないし。もう1つはどんな結果でも、青波さんのことばかり考えずに君は君の人生を精一杯、歩んで欲しいな」


監禁部屋で会話をした四季は元気で明るくて、空気読めないお調子者。それが第一印象だけれど、わざと私のためにおちゃらけたキャラを演じていたのだと今なら分かる。

本当は人の気持ちに敏感で、誰かに寄り添うことのできる温かい人だ。

監禁生活で青波に出逢えたことはとても嬉しいけれど、四季という比較的、歳の近い人生の先輩を得たことも私にとっては大切なことなんだよ。