恋の病に、堕ちてゆく。

え?偽物?
あの緊迫した雰囲気で、偽物をホンモノと信じ込ませた四季の演技は凄い。敵も怯んでいるように見えた。

「間抜けな犯人で良かったよ。まぁ敵は銃の扱い下手だったし、完全に素人だよね。あの距離からだったら、青波さんや大我さんは一発で仕留めると思うよ」

四季は自身の胸を軽く叩いた。


「そうなんですか?」

「うん。あの2人はエリート中のエリートだから」

やっぱり凄いんだ。
四季も期待されているから、大学生でも現場に立っているのだろうな。

「私、2人にもお礼を言いたいのですが、両親は別の任務に就いているから迷惑だって言うんです。四季さん、働いている警備会社の場所を教えてくれませんか?」


四季は優雅な動作でコーヒーを飲む。


「それはできないよ」

音を立てずにコーヒーカップをソーサーに置いた四季は首を振った。