恋の病に、堕ちてゆく。

紅茶を淹れるお母さんを見る。

「青波さんたちにお礼を言いたいとは思わないの?」

「またその話?まぁ言いたいけど、お仕事の邪魔はできないわよね。もしかしたらまた危険なお仕事かもしれないしね」

危険なお仕事か…。青波はまたよく知りもしない人のことを全力で守っているのかな。私にしてくれたように。


「だから会社に連絡をとってさ、青波さんたちが暇な時にお礼を言いに行けばいいでしょ?」

お父さんは結局、警備会社の名前を教えてくれなかった。情報収集はしてみたけれど都内の警備会社の数はそれなりにあり、しぼりきれないでいる。


「会社の方針でお礼の品とかは受け取らないみたいだし、難しいよね」

「……そうだよね」

「ミルク入れる?」

「砂糖もお願い」

いい香りがする。
青波が淹れてくれた紅茶よりも甘い香りだ。

居場所さえ分かれば、こっそり会いに行くのにな。

手がかりさえあれば…。