恋の病に、堕ちてゆく。

確かに人ごとではないんだ。

いつ、誰が、いなくなってもおかしくない世界で大切な人の死を、そう簡単には受け入れられないだろう。

誰もが、青波のように強くは生きられない。

ううん、青波もきっと、妹さんを失った苦しみからは永遠に逃れられないのだろう。


「お父さんの研究はまだまだ途中だけど、いつか誰かの未来を変えるものだと信じているよ」

「そうだよ!お父さんの研究は私の自慢だから!」

「ありがとう」

もしお母さんの意識がないことを最初から聞いていたら、私の心も大きなダメージを受けていたはずだ。それを分かっていたからお父さんは私に真実を隠し、誘拐という名目で安全な場所に隔離してくれた。

お父さんや青波たちによって、私は安全で温かい囲いの中で守られていたんだ。