恋の病に、堕ちてゆく。

お母さん!!
お父さんと必死で呼びかける。

そして、お母さんの目はゆっくりと開いた。


「…加奈、」

「お母さん!ここは病院だよ!」

お父さんが慌てて看護士さんを呼ぶ。


「……加奈もお父さんも大丈夫?」

小さな掠れた声だけれど、確かにお母さんのものだ。

「私たちは大丈夫だよ!元気だよ!」

お母さんが目を細めて笑う。
隣りでお父さんはガッツポーズをしていた。


ようやく家族3人が揃った、幸せな瞬間だった。

今日もまた変わり映えのない日々のありがたみを、家族が健康でいることの喜びを痛感した。