恋の病に、堕ちてゆく。

お父さんの他に3名の研究者の方々が、部屋の中で顕微鏡を見たり、パソコンを操作したりと各々が仕事に没頭していた。誰も私のことなど気にも留めない。


「そこに、座って」

部屋の奥にあるソファーにお父さんと向き合って座った。

女性スタッフの方が紅茶とクッキーを用意してくれた。サンドイッチを食べたばかりなのに、美味しそうなハート型のクッキーに手を伸ばしてしまう。

「青波くんから聞いてるだろうけど、お父さんの口からもちゃんと説明させてくれ」

「うん」

私はなんともないフリをして、クッキーを口に入れる。お父さんと再会できた感動と、油断したら涙が溢れ出るような高揚した気持ちを隠した。